相続した山林に古い車が何台も…放置された土地をそのままにしてはいけない理由

query_builder 2026/09/05
相続した山林に古い車が何台も…放置された土地をそのままにしてはいけない理由

相続した山林に古い車が何台も…放置された土地をそのままにしてはいけない理由

今回の写真を見て、

「どうして山の中にこんなに車があるんだろう?」

と思った方もいるかもしれません。

草木の中に埋もれるように残された古い車。

一台だけではなく、奥にも何台か見えます。

長い時間そのままになっていたのでしょう。車体には錆が出て、周囲から草やツルが伸び、少しずつ山の景色の中に飲み込まれています。

こういう光景を見ると、少し複雑な気持ちになります。

古い車が好きな方なら、

「昔は誰かが大切に乗っていたんだろうな」

と思うかもしれません。

私たちも現場で昔の道具や車、建物などを見ると、つい当時のことを想像してしまうことがあります。

ただ、山林を管理する立場から見ると、これは単なる「懐かしい風景」では済まない場合があります。

相続した山林では、こうした放置車両、残置物、ゴミ、不法投棄といった問題に出会うことがあるからです。

そして厄介なのは、山林の問題というのは、ある日突然起きるというより、

誰も見に行かない時間の中で、少しずつ大きくなっていく

ことです。

「山だから、そのままでも大丈夫」と思ってしまいやすい

住宅を相続したら、一度は状態を確認する方が多いと思います。

屋根は大丈夫か。

窓は割れていないか。

庭の草は伸びていないか。

ところが山林になると、少し事情が違います。

「山だから特に何もないだろう」

「木が生えているだけだし」

「固定資産税もそれほど高くないから、とりあえずそのままで」

そう考えて、数年そのままになることがあります。

これは決して珍しいことではありません。

特に親や祖父母から相続した山の場合、

「場所はだいたい知っている」

という程度で、実際に山へ入ったことがない方もいます。

さらに県外へ住んでいる場合などは、わざわざ山林を見るためだけに栃木まで来るのも簡単ではありません。

気持ちはとてもよく分かります。

今日見に行かなかったからといって、明日何かが起きるわけではない。

だから後回しになります。

でも、その「あとでいいか」が5年、10年と続くと、状況はかなり変わります。

久しぶりに行ったら、知らない物が置かれていることもあります

人が来なくなった土地は、外から見てもだんだん分かるようになります。

草が伸びる。

入口が分からなくなる。

木の枝が道路側まで伸びる。

轍がなくなる。

そして、人が管理している気配がなくなります。

そうなると残念ながら、ゴミを置かれたり、物を放置されたりする可能性も出てきます。

最初は空き缶やペットボトルだったものが、少しずつ増えていくこともあります。

タイヤ。

家具。

家電。

建築関係の廃材。

そして場合によっては車両。

もちろん、すべてが不法投棄とは限りません。

昔の所有者が自分で置いた物かもしれませんし、以前その土地を利用していた人の物かもしれません。

相続した土地の場合、

「誰が、いつ、なぜ置いたのか分からない」

ということが珍しくありません。

これが本当に困るところです。

写真一枚でも、山林が長い時間をかけて変化していることが分かります

今回の写真を見ると、車の周囲まで草が伸びています。

車の下も、周囲も、植物に覆われています。

つまり、少なくとも「昨日ここに車を置いた」という状態ではありません。

長い時間、人の手があまり入っていないことが感じられます。

山の植物は本当に強いです。

私たちも現場で何度も感じていますが、

「去年きれいにしたから大丈夫」

と思っていても、翌年には驚くほど草が伸びていることがあります。

特に夏場は、

「ここ、こんなに草あったかな?」

と思うくらい景色が変わります。

車でも建物でも同じです。

人が使わなくなった瞬間から、少しずつ自然に覆われていきます。

最初はタイヤの周りだけだった草が、ボンネットまで伸びる。

ツルが車体へ絡む。

その横から木が育つ。

何年も経てば、道路から車そのものが見えなくなることもあります。

そうなると、所有者自身も「そこに何があるのか」を把握できなくなります。

山林では「見えないこと」が一番怖いと思っています

山林管理をしていて私たちが大切だと思うのは、

土地を完璧にきれいにすることより、状態を把握できるようにしておくこと

です。

山林全部を草刈りする必要はありません。

何万平方メートルもある山を、庭のように管理するのは現実的ではありません。

でも、

入口まで行ける。

最低限、人が歩ける。

道路沿いからある程度状態が分かる。

危険な場所を把握している。

何が置いてあるか分かっている。

この状態と、

「何があるか全然分からない」

という状態では、大きな違いがあります。

今回のように車が何台も残っている土地でも、最初から把握していれば対応を考えられます。

ところが、相続して10年後に初めて現地へ行って、

「こんなの聞いてない……」

となれば、そこから調査を始めなければなりません。

誰の物なのか。

いつからあるのか。

書類はあるのか。

どう処理するのか。

土地へ搬出車両が入れるのか。

一つ問題が見つかると、その先にも確認することが出てきます。

だからこそ、早い段階で一度土地を見ることには意味があります。

放置車両は、単純に「レッカーで持っていけばいい」とは限りません

写真のような車を見ると、

「全部撤去すればきれいになるじゃないか」

と思うかもしれません。

ただ、実際にはそれほど単純ではありません。

まず、所有関係を確認する必要があります。

相続前から置かれていた車なのか。

以前の土地利用者が置いたものなのか。

第三者が持ち込んだものなのか。

土地の所有者と車両の所有者が同じとは限りません。

また、長期間動いていない車の場合、タイヤが動かない、地面へ沈んでいる、周囲に木が生えているなど、搬出そのものが大変になることもあります。

山林ではさらに、

「積載車がそこまで入れるのか」

という問題もあります。

普通車なら入れても、大型の搬出車両は入れない。

木が道路へ張り出している。

道幅が狭い。

路面が弱い。

そうなれば車両を撤去する前に、入口や道路を整える必要が出てくることもあります。

山林の片付けというのは、街中の空き地の片付けとは少し違います。

だから、いきなり片付ける前に「現況確認」が大切です

私たちが相続した山林を見るときは、まずその土地が現在どうなっているのかを把握することが大切だと考えています。

入口はどこか。

車でどこまで入れるか。

草木の状態。

倒木の有無。

建物や工作物の有無。

ゴミや残置物。

周辺住宅や道路との位置関係。

排水。

そして、土地によってはドローンで上空から全体を確認する。

最初から全部を片付ける必要はありません。

むしろ、最初に全体を把握してから、

「ここは急いだ方がいい」

「これはそのままでも問題なさそう」

「まず道路だけ確保しよう」

「この場所だけ草を刈ろう」

と優先順位を付けた方が、費用も作業量も抑えられる場合があります。

以前の記事でも触れましたが、私たちは山林管理を、

何でも切って、何でも撤去して、全部きれいにする仕事

とは考えていません。

必要なところに、必要なだけ手を入れる。

それが一番現実的です。

昔の物が残っている山には、その土地の歴史もあります

少し違う見方もできます。

山林の中に古い車や建物、農機具などが残っていると、その土地が昔どのように使われていたのかが見えることがあります。

写真の車も、昔は普通に道路を走っていたはずです。

誰かが買って。

誰かが運転して。

この山の近くまで来て。

何らかの理由でここに残った。

そう考えると、不思議なものです。

私たちは山林の管理をしていると、ときどき時間が止まったような場所に出会います。

昔の小屋。

古い井戸。

石積み。

使われなくなった道。

そして古い車。

山は、人がいなくなってもずっとそこにあります。

人間が使っていた痕跡を、草木がゆっくり覆っていきます。

私はこういう場所を見ると、単純に「汚いから全部捨てよう」とは少し違う気持ちにもなります。

もちろん危険な物や処理すべき物は適切に対応する必要があります。

でも、その土地がどう使われてきたのかを一度確認してから整理する。

それも相続した土地と向き合う一つの方法だと思っています。

「何も知らない山」を次の世代へ渡さないために

相続した山林を放置していると、もう一つ問題があります。

次の相続です。

本人は、

「あの山には古い車が何台か置いてある」

と知っている。

ところが子どもは知らない。

さらに孫になると、山の場所すら知らない。

そのまま次の相続が起きれば、

登記上は土地を持っている。

でも場所が分からない。

入口も分からない。

何が置いてあるのかも分からない。

そんな状態になってしまいます。

これはできるだけ避けたいところです。

すぐに利用する予定がなくても、

現地写真を残す。

入口を撮影する。

空撮写真を残す。

地図と地番を整理する。

残置物があれば記録する。

最低限これだけでも、次の世代にとって大きな情報になります。

土地を管理するというのは、草を刈ることだけではありません。

「自分たちが何を所有しているのか分かる状態にする」

これも立派な管理だと思っています。

相続した山林は、まず一度見てみる

山林を相続したからといって、すぐに何十万円、何百万円も使って整備する必要はありません。

私たちも、そんなことを勧めたいわけではありません。

まず一度見る。

写真を撮る。

状態を確認する。

それだけでいいんです。

何も問題がなければ、

「思っていたより大丈夫だった」

で終わります。

それなら安心できます。

反対に、今回の写真のように、

「こんな車があったの?」

「こんなに草が伸びていたの?」

「道がなくなってる……」

となるかもしれません。

でも、早く気付けば選択肢があります。

今すぐ全部撤去する。

今年は入口だけ整備する。

草木だけ管理して、車両については後から調べる。

土地を売却する。

自分で利用する。

いろいろ考えられます。

分からないまま放置するのが、一番選択肢を少なくしてしまいます。

山林には、実際に行って初めて分かることがたくさんあります

Googleマップを見ても分からない。

公図を見ても分からない。

登記簿を見ても分からない。

現地へ行って、

草をかき分けて、

少し奥へ入って、

初めて見えてくるものがあります。

今回の写真のような古い車も、その一つです。

山林を扱っていると、

「山って、本当にいろいろなものが出てくるな」

と思うことがあります。

大変だと思うこともあります。

驚くこともあります。

たまに、ちょっと面白い発見もあります。

だからこそ私たちは、机の上だけではなく、できるだけ実際の土地を見ることを大切にしています。

相続した山林を「よく分からない土地」のままにしない。

まず現在の状態を知る。

必要なところだけ手を入れる。

そして将来どうするかを考える。

栃木山林相続地管理センターでは、そんな現実的な山林管理をこれからも続けていきたいと思っています。

古い車が草木の中へ消えてしまうほど長い時間が経つ前に。

たまには、自分の山を見に行ってみてください。

想像していなかったものが、そこに残っているかもしれません。


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栃木山林相続地管理センター

住所:栃木県日光市川室862-3

電話番号:050-6869-3646

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